点都勢中心の近畿ラインが鍵

王者「古性優作」が貰禄でラインを牽引。
対抗は「犬伏湧也」率いる中四国勢か。

今年の向日町記念平安賞は奈良競輪場での開催。所が変わっても気合十分で挑む京都勢を中心に地元地区の近畿ラインが団結して優勝争いへ。

中心となるのは王者の貫緑を見せる古性僅作。先頭なら自力自在に総合力を発揮、番手を回っても仕事をこなして鋭脚を披露する究極の走りでラインを牽引。優勝争いの軸となるのは間違いなく、地元地区の責任をしつかりと果たして場内の声援に応える。地元記念に強い思いで臨むのは村上博幸、山田久徳、窓場千加頼ら。村上の切れ味は相変わらずトップクラスの冴えを見せていて展開が向けばもちろん、不利な位置からでも渾身の突っ込みで好勝負へ持ち込む。山田は自力の決まり手が減ったものの展開次第では搬り兼備の決め脚を見せる。不振が続く窓場は今回をきっかけに復活の狼煙を上げたい。ホームでの戦いとなる三谷竜生や2班の稲川翔、小森責大まで他地区を圧倒する強カラインナップで外敵を迎え撃つ。
真っ向勝負を挑むのは犬伏湧也が率いる中四国勢。今シリーズのS班は2人のみで犬伏も当然、責任ある走りが求められる立場。強烈スパートで持ち味をフルに発揮へ。むらの大きい佐々木豪だが犬伏との連係実績は農富。番手回りならチャンスを掴むか。実力者の岩津裕介が四国勢と遮係して差し脚を伸ばす。
東日本を引っ張るのは深谷知広の機動力。豪快な自力駆けは最上級の威力を維持。問答無用の仕掛けで別線をねじ伏せる走りも十分。嶋津拓弥が南関で連係して番手を回る。
北日本勢の中心は佐藤慎太郎、和田圭の追込み両者。自力自在に戦う阿部拓真に前を任せての戦いが基本となりそうだが、メンバー次第では深谷との連係も視野に入れて上位進出へ。

関東ラインは小林泰正の動きに託す。ホームと同じ33バンクの特性を活かした攻めで大仕事を狙う。上越で連係は実績十分の諸橋愛。雨谷一樹は後ろ回りが増えたものの自ら前々に動いてのレースも十分可餡。同県の神山拓弥と混戦を突いての浮上があるか。
グレードレースで安定して結果を残している山田庸平の総合力も見逃せない。九州迪係で番手回りもあるが、自ら動いても優勝争いを演じる脚力。辰開に応じた立ち回りで浮上を狙う。小岩大介が追走して堅実な捌きと差し脚を見せる。
破壊力ある仕掛けに一撃の魅力は藤井侑吾。タイミング良く出切ってしまえば短走路を味方に波乱を演出するだけの先行力を秘める。西村光太との中部コンビで迷いなく仕掛けられるかが鍵となりそう。